ST-Xの魅力を再確認

そこにあったライダーへのBenefit=恩恵とは

 ST-Xは2005年に、HYOD初のストリート用ライディングウエアとしてリリースされた、HYODストリートウエアの原点だ。ST-Xはスーパーストリート・クロスオーバーの略で、従来のストリートウエアを超えた存在(スーパーストリート)であり、サーキットウエアとストリートウエアを融合する(X=クロスオーバー)カテゴリーであること、さらにオールレザーモデルに加え、レザーとテキスタイルを適材適所で使い分けたクロスオーバーモデル(ハイブリッドモデル)が存在することなどが、そのネーミングの由来だ。
 2004年にHYOD製として初のレーシングレザースーツをリリースした際のキャッチフレーズは、“Speed Style”だった。これはHYODウエアのテーマであり、コンセプトそのもので、レーシングレザースーツに限らず、HYODウエアの中核を成すスピリットといえる。スピードの中で展開されるモーターサイクルスポーツのためのウエアとして、最新かつ最良の機能を備えることはもちろん、その上で“スタイル”が良いことも重要だ。その思想は2005年のST-Xにも継承され、ライディング用としてだけでなく、ライフウエアとしても適応する“スタイル”の良さも特徴のひとつとなっている。ライディングウエアであるからといって一般社会から浮いた存在では、ST-Xの“スタイル”とはいえず、“Speed Style”のコンセプトからも外れてしまう。

そこにあったライダーへのBenefit=恩恵とは


 ST-X登場以前は、サーキットウエアであるレーシングレザースーツとストリートウエアとの間には、運動性(自在なライディングを可能にする動きやすさや、前傾姿勢・ハングオフ姿勢の取りやすさ)、フィット性、安全性といった面で大きな隔たりがあった。大半のストリートウエアは着やすさを重視したルーズフィットで、走行時にバタつき、空力的にも適していなかった。それでは“スタイル”が良いとは決して言えない。また、当時のレザーウエアはいわゆる革ジャン・革パンが主流で、立体パターンではなく、モーターサイクルに乗る姿勢(前傾姿勢やハングオフ姿勢など)に適しておらず、レザー自体も硬いものが多く、動きやすいとは言い難かった。
 一方、レーシングレザースーツは2004年、HYODが3D立体パターンを採用し、フィットして抜群に動きやすいモデルをデビューさせたことで、その常識が大きく変わった。そのレーシングレザースーツの特性をそのままフィードバックしたのがST-Xである。2005年モデルのフルレザーのST-Xジャケット&パンツの中には、まさにNEWレーシングレザースーツ(1ピース)を2ピース化したかのような、フィット感・運動性・安全性を備えたモデルも存在した。ST-Xは優れたフィット感によってプロテクターが守るべき部位からズレることなく、安全性を確保すると同時に、運動性にも優れ、突っ張り感や窮屈さのない快適な着心地を実現している。さらにプロテクターの配置・数・質も、レーシングレザースーツには及ばないまでもそれに近く、従来のストリートウエアとは一線を画していた。加えてST-Xは、ストリートウエアならではのデザイン性も備え(=スタイル)、単なるハードなスポーツウエアを超えた、さりげない存在感を放っていた。  現在のST-Xシリーズ(スプリング&サマーモデル)は、アシンメトリーにHYODロゴを大胆に配したテキスタイルジャケット(フーデッドモデル、スタンドアップカラーモデル)や、オールレザーのメッシュ仕様でニースライダーまで装備したライディングパンツ、さらにメッシュテキスタイル(アルティマMESH、ブライトMESH、アナプシーMESH)とライトカウレザー(非常にしなやかなレザーを膝や尻に配置)を組み合わせたハイブリッドなテキスタイルパンツなど、スポーツライディングに最適化されたラインナップを展開している。同時にデザイン性にも優れ、スーパースポーツはもちろん、ネイキッドモデルにもマッチする魅力を備えているシリーズだ。
 マテリアル(スプリング&サマーモデルでは、レザー・テキスタイルともにメッシュ仕様が主体)とプロテクター(D3O®)を、デザインと3D立体パターンによって巧みに融合し、あえて主張しすぎることなく、日常にも溶け込むスポーツウエアとして完成させている点も大きな特徴である。重要な要素のひとつがパターンで、ST-Xにはスーパースポーツに適した前傾姿勢とフィット感を追求したものから、アップライトポジションに合わせたリラックスフィットまで、用途に応じた設計が用意されている(マテリアルの張り感によっても最適なパターンは異なる)。また、プロテクターの存在を感じさせない点も、HYODの3D立体パターンの特長だ。まるで一般的なスポーツウエアのように、日常の中で自然に着用できる仕上がりとなっている(デザイン面も含めて)。