HOME - ROAD WEAR concept - なぜ「レザーを」なのか?
Why Leather?
なぜ「レザーを」なのか?
レザー=革のウエアを着る。わざわざ多機能なテキスタルウエアがあるのに、なぜ昔ながらのマテリアルを使ったウエアをあえて選ぶのか。スタイルが良いから? 独特の風合いと光沢が魅力なのか? それを選ぶ理由は…、答えはあるようでないような、エモーショナルな心の選択なんだろうけど、あえて分析すると、こんな感じじゃないだろうか。
なぜかビシッとキマる感じ。
気持ちが引き締まる。
最高のプレミアム感。
張り、ツヤ、風合いはレザーならでは。
レザージャケットの醸し出す雰囲気は、テキスタイルでは絶対に表現できないし、デニムでなんとなく似た感じにはなっても、やっぱり「レザー」には敵わない。まさに神様が我々人間に与えてくれた究極のマテリアルなのだ。
命を宿し、食物連鎖の末に生まれたこのスーパーマテリアルを超えるものは今のところ見当たらない。HYODは今も昔も変わらずレザーに畏敬の念を抱き、リスペクトしていて、そしてレザーというマテリアルをこよなく愛している。レザー特有の張りと厚みが生み出すデザインは、独特の雰囲気と高揚感を感じさせる。マテリアルそのものの「厚み」でいったらテキスタイルとは比べ物にならないし、この「厚み」だけで言ったらライディングウエアに使うテキスタイルやデニムでは到底及ばない。このレザーの程よい厚みから生まれるしなやかで、包み込まれる感覚は、ほかのどんなマテリアルでも表現できないだろう(テキスタイルで0.09mm〜、デニムでも0.1mm〜、HYODで使用しているレザーはアイテムによって0.9mm~1.4mm厚のレザーを使い分けて使用している)。またレザーウエアから放たれる「色気」や「高級感」は、その表面の仕上げの製法も大いに関与していて、光沢=ツヤが独特でグロッシーなもの(特にブラックでは格別な色気がある)から、SMARTレザーパンツのように少しマットでキャンバス柄にしたもの、表面とトコ地で色が違うツートンカラーまで、まさにレザーはその表面の仕上げ方次第で様々な表情と雰囲気を楽しめる。そして革の厚さとも親密にリンクする「しなやかさ」を加味しながら、最終形となるウエアの特性によりいろいろ組み合わせを選ぶのだ。革といっても様々な種類の革が存在し、様々な加工方法が存在する。鞣す(なめす)といってもいろんな方法があるし、最終形となるウエアに最適な形で機能するしなやかさと厚みをマッチングして決定するノウハウがなければよいレザーウエアは作れない。このチョイスがウエアの着心地にも影響するし、つまりそのチョイスしたレザーを考慮したパターンで設計することがとても重要なのだ(ただ革をやわらかくすればいいってことでもなく、厚くすれば良いってものじゃない)。
基本設計となるパターンとレザーの融合があって、はじめて革の持つ「しなやかさ」と「張り」のバランスが機能するのだ。HYODは革を熟知したパタンナーとクリエイティブスタッフ、そしてデザイナーがともに連携してそれぞれのウエアに最適なパターンと革をチョイスする。そうして生まれたレザーウエアはどれもイイ雰囲気になる。それは、レザーウエアならではのプレミアムなものだ。
セーフティプロテクション性能が抜群。
擦れ・引き裂き強度は最高レベル。
レザーは、万が一の転倒などの際に、ライダーの身体を守る能力が非常に高いマテリアルだ。合成繊維が進化した現在でも、レザーは擦れや引き裂き強度に関しては、依然として最高レベルだ。その証拠にロードレース用のレーシングレザースーツのメインマテリアルは、今もレザーなのだ。安全性に関しては、見合うコストを含めて現時点でレザーは唯一無二の存在だ(コストを度外視し、ある特定の特徴だけ見ればレザーに近い性能や強度を持つ合成繊維もあるが)。
非常に高い防風性そして程よい透湿性。
走行風によるバタツキも少ない。
レザーは、自然由来のマテリアルの中で最高レベルの防風性能を持っている。20世紀初頭には、レザーはフライトジャケット/コートを転用してモーターサイクルライディングに使っていて、車両メーカーの純正用品のデザインもフライトジャケット/コートとほとんど同じだった。飛行機乗り(特に20世紀初頭は)とモーターサイクル乗りは、スピードと風という共通の敵と戦っているから、そこでレザーウエアを着るのは必然だったんだろう。
また、防風性と同種なのだが、遮熱性があり、エンジン熱やそこから伝わってくるフレームの熱からもライダーを守る。張りと適度な重さがあるので、スピードを出してもバタツキは少ない。レーシングレザースーツのように身体に良くフィットしていれば、ほとんどバタつかないからストリートウエアでもパターンは本当に重要だ(フィットさせつつ、適度にゆったりしつつ、着心地も良く、スタイリングもカッコ良くだ)。
フューエルタンク/シートなど乗車時のホールド感がイイ。
ニーグリップやシートへのホールド感が丁度良いのだ。当然グリップが良く、ホールド感がイイ。モーターサイクルライディングに最適な“摩擦=フリクション”をレザーは生み出している。
着続けていくほどに愛着が湧いてくる。
不思議なことに、レザーウエアは着れば着るほど愛着が湧いてくる。当然使っていけば、へたったり傷が付いたりもする。反面、着続けて行くと身体に馴染み、着心地が良くなる。簡単なお手入れと管理方法だけちゃんとしていれば、それこそ10年以上は当たり前にもつ。何もしないでというわけにはいかないが、案外モーターサイクルレザーウエアの革の手入れはシンプルで大丈夫だ。濡れた時のケアの方法と保管方法ではカビ対策に注意する点、表面の色や傷は使用していけばいくほど変化したり、増えてくるから色かけやクリーニング、タッチアップなどを依頼してほしい。特に素上げ加工のレザーはその特性上、色が飛びやすいので気になったら適宜、再染色や色かけをすればいい。高速道路など一定の角度でずっと太陽の日差しを浴びると片方だけ色が飛んだりしてしまうが、ベースのマテリアルそのものは大丈夫だからその点だけ意識すれば本当に10年以上は付き合えることは間違いない。
レザーウエアは長年乗り続けている愛車と同じで、長く付き合えて、付き合っていくと、手放せないモノになっていく感覚がある。確かにレザーウエアは高額なものになりがちだが、長い目で見た時のコストパフォーマンスはかなり高いウエアだと思う。レザーウエアは、最愛のパートナーとして自分のモーターサイクルライフを彩り、そして長い間、寄り添ってくれる相棒になるのだと思う。なにより数年で機能性が落ち、修正が難しいテキスタイルに比べれば、その倍以上の期間使えるのだから日割りで計算したらテキスタイルウエアよりもコスト面でもかなりメリットがあると感じる。もちろんHYODではリペアやメンテナンスにも対応しているから、気軽に相談してほしい。お持ちのレザーウエアをより長く、そして大切に着てもらえるように万全のフォローをしていきたいと考えている。
……と、なぜ、今さら「レザーなのか?」という理由をいろいろあげたけれど、やっぱりイチバンは“レザーはいいなあ”ということじゃ、分析になっていないかな。
